あと施工アンカーの許容荷重に対する考え方

アンカー強度の考え方

アンカー強度の考え方

①最大引張荷重とは

あと施工アンカーの強度の限界を知るためには、どのような破壊形態を示すのかが重要になります。荷重をかけ続けて、これ以上はアンカーに期待できない終局状態の強度を「最大引張荷重」と呼んでいます。最大引張荷重に達した後は、すぐにコンクリートのコーン状破壊に達するもの、一方で抜け出しを伴いながらもすぐには破壊に至らないものなど、アンカーの種類によって様々な形態を示します。

②許容荷重について

1.金属拡張アンカー
現在まで、(一社)日本建築学会「各種合成構造設計指針・同解説:2010年」、(一財)日本建築防災協会「既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震改修設計指針・同解説:2001年」(、一財)日本建築センター「建築設備耐震設計・施工指針:2014年」、(公社)空気調和・衛生工学会「SHASE-S 012-2013 建築設備用あと施工アンカー」などにおいて、それぞれの立場からあと施工アンカーの許容荷重の考え方が示されています。

1-1 各種合成構造設計指針・同解説による許容荷重
耐震補強における耐震壁の定着や機器類の固定に用いることを適用範囲とした(一社)日本建築学会各種合成構造設計指針・同解説(2010年改定)による許容荷重値を参考として示します。

1-2 公の指針などによらない場合の許容荷重
験結果の荷重-変位曲線から許容荷重値(長期許容荷重)PLを求める当社の考え方を目安として示します。

引張強度

2.その他のアンカー類
対象商品: エーエルシーアンカー/ALCドライブ/Pレスアンカー/ハードエッジドライブ/ハードエッジアンカー/オールプラグ/オールプラグボルト/ITハンガー/アメラハンガー/アメラスクリュー/スマートプラグ

その他のアンカー類には、打込み式、ねじ込み式、はさみ固定式、ねじ固定式(金属系・プラスチック系)の4種類があります。対象母材は、コンクリート以外にALCパネル、ブロック、押出成形セメント板と幅広くあります。主な終局破壊形態は各母材の条件で異なり、当社の実験結果でも母材の破壊で決まる場合が多いことが確認されています。その他のアンカー類に対する許容荷重の考え方は、アンカーに加わる荷重および母材の状態で変わりますが、当社では最大引張荷重の5分の1を安全率の目安として考えています。(母材が石膏ボードや合板、上記対象商品以外は10分の1)

ただし、用途に応じた評価検討を行った場合は、この限りではありません。

許容荷重の考え方

(一社)日本建築学会 各種合成構造設計指針・同解説(2010年改定)
(金属拡張アンカーについて)

金属拡張アンカーの許容引張荷重を算出する破壊形式は以下の2種類あります。

①金属拡張アンカーの降伏で決まる場合

②コンクリート躯体のコーン状破壊で決まる場合

これに低減係数を考慮して、最も小さい値を許容荷重値として算出します。

① P a1 =φ1×sσpa×sca

② P a2 =φ2×αc×cσt×Ac

ご活用にあたっての注意事項
設備機器類には、各機関独自の仕様や規制がありますので、「あと施工アンカーの選定・施工」の際には、細心の注意が必要です。耐震設計の基本方針に沿った設計・施工を行わないと、思わぬ事故を引き起こすことになりますので、十分な配慮をお願いいたします。

なお、現場の状況やあと施工アンカーの使用方法により、本書の考え方が適用できない場合もあります。算出される数値につきましては、設計者の工学的知見に基づいてご判断をお願いいたします。